てぃーだブログ › 仲村清司の沖縄移住録@2018 › 2012年05月

2012年05月30日

差別される側がやるべきこと──『本音の沖縄問題』の読者から

『本音の沖縄問題』を読んだ方から感想が寄せられました。ご本人のご許可をいただいたので、以下、全文を掲載させていただきます。
『本音の沖縄問題』とは5月18日に発売された拙著です。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406288156X/reckanet-22

…………………………………………………………………………………………

拝啓 仲村様

「本音の沖縄問題」を読ませていただきました。今まで自分が思い描いていた沖縄とのギャップを痛感したと同時に、沖縄の人々に対する構造的・心情的差別や、現在みられるような沖縄と本土の相互不信にいたるまでの過程について知ることができました。この本を読ませていただくまでは、沖縄は基地で成り立っていると誤解しておりました。

読み進めるうちに、二重の疎外という言葉を思い出しました。私自身国籍は日本で生まれた時から日本に住んでおりますが、父親は帰化した台湾人だったため、幼少時には台湾人だといじめを受け、父の里に帰ると日本人だと言われ、ずいぶん悩んだことを覚えております。

結局日本社会で差別を受けることがないようにと、父が苗字を張から塩田に変えました。ひとたび既存の枠から外れると、それは差別の対象になるようです。その枠は差別する側がつくります。

それをなくすには、される側がする方を差別することが善ではないと認識するよう仕向けるほかないと思います。アイデンティティーについて考えることは決して悪いことではないですが、強調しすぎることによる弊害も多いことを改めて感じました。

日本も沖縄もどのような国にしたいかについて考えることなく進んできた結果が、何の規範もない、対症療法的な思考停止の現状につながったのだと思いました(沖縄はしたくてもできなかったという事情があるのかもしれませんが)。

これまでの経緯を考えれば、どのような国にしたいかについて様々な意見があるだろうと思いますが、沖縄の米軍基地をなくすことはすべての意見にとって前提条件となるだろうと思います。

この本を読むことができて本当に良かったと思います。まだまだ理解していない部分も多いと思いますので、何度も読ませていただきたいです。私自身勉強不足ですので、もっと沖縄について勉強しなければと思います。

そして沖縄の人たちが実現しようとすれば実現できると希望を持てる状況に一日も早くなることを心より願っております。ありがとうございました。


敬具

H・S
   

Posted by 仲村清司 at 13:16Comments(2)

2012年05月30日

『ほんとうは怖い沖縄』その1 背後霊? 

最近、肩胛骨の下部が痛むのです。
右腕の肘も腱鞘炎らしく、鎮痛剤なくして仕事ができない状態。
待ったなしの〆切りに負われる悪夢にうなされるので、寝起きもやたら苦しいし……。

そんなある日のこと、
知人が撮った写真にこんなものが写っていました。





『ほんとう怖い沖縄』(新潮文庫)から6月27日発売です。  

Posted by 仲村清司 at 02:53Comments(0)

2012年05月29日

本音の沖縄問題と高良食堂

ジュンク堂那覇店、新書部門で1位。

ご購読いただいた方々、応援していただいた皆様、ありがとうございました。
感謝しております。
長く読み継がれる一冊にしたいと思います。



自分へのご褒美で、
ひさしぶりに「高良食堂」に出向いて、
沖縄そば+親子丼セット
わしわし食べてきました。



大盛系食堂にはめずらしく、上品な味つけで、
沖縄そばのだしも澄んでおりますな。
親子丼も関西風の汁だく仕様でよっしゃよっしゃ的に満足満足!

しかしまあ、初老の域に達した胃袋がために、
ボリューム負けして
完食にはいたらず。


高良食堂には、ビーフシチュー+沖縄そば、
ハヤシライス+沖縄そばのセットメニューもあります。
さらに+150円で「ぜんざい」もついてきます。

沖縄の大衆食堂は不滅です!
ちなみに知人は「焼き鯖+沖縄そば+炊き込みご飯」を完食。


県民総メタボ化も必至のようです。

  

Posted by 仲村清司 at 18:10Comments(0)

2012年05月24日

『本音の沖縄問題』を書いた理由




いかなる歴史的経緯があるにせよ、タブーがあってはならない。
ヤマトが沖縄に押しつけた負の歴史はもちろん、
沖縄が自ら侵した過ちも、自戒を込めてしっかりと見据えなければならないのだ。


復帰は基地の固定化と集中化を画策した政策であったが、
沖縄の人たちは復帰を目的化したために日米両政府の政略に
みずからすり寄ってしまった。
しかも、「祖国」幻想から抜け出せず復帰を「是」とするあまり、
教育現場では現代版方言札を教職員が励行する愚行までやってのけた。


沖縄の民衆はそれらを総決算した上で、
将来のビジョンに自ら打ち立てるべきなのだ。


沖縄の将来像に排外主義的なナショナリズムが含まれているなら
これも支持できない。世界史をみれば自明のように、
「民族を抑圧する民族は、たとえ被抑圧民族であっても自由たり得ない」
この言葉は沖縄にもあてはまる哲理であろう。

反基地を闘う人のなかには沖縄の民族排外主義に懊悩している人もいるのだ。以下、寄せられたコメントから抜粋させていただく。


最近の「琉球ナショナリスト」とも呼べる排他的な思想については、FBやTwitterでも何度も議論しました。
沖縄のためには、辺野古で雨の日も風の日も座り続けるオジィ・オバァのためには、高江で24時間体制で座り込みをしている仲間たちのためには、多少の意見の相違にも目をつぶり、手を取り合っていかなければと思っていました。
が、もしかすると彼らナショナリストと私達とでは、そもそもの目的が違うのではないか…と最近考えるようになりました。彼らが守りたいのは「テリトリー」であって、「平和」ではないのかも、と。少なくとも優先順位が違いすぎる。

沖縄に基地押し付けている現状は、明らかに差別です。その差別を容認してきたのは、本土の人間の無知と無関心であり、つい数年前までの私自身の姿です。それに関しての批判は甘んじて受けますし、現在平和運動に携わっていることが免罪符になるとも思っていません。
が、いくら今まで虐げられてきたからといって「本土に持って帰れ」という論調には賛同しかねます。本土にも基地があり、その被害に苦しめられている人達はたくさんいる。そのことを指摘してもなお「自業自得」と平気で口にする人たちは、支持できない。
己の力ではどうすることもできない出自のみをあげつらい批判し、また自らの出自を振りかざして他者を批判する昨今の傾向は、明らかに反基地運動の足を引っ張っています。(T・Yさん)



闘う同志をいがみ合わせる事が権力が願っている事です。あらゆる垣根を乗り越えながら本当の友人となる事ができればいいなあ!。(K・Iさん)


まことにその通りだと思う。
ナショナリズムを克服し、
闘う民衆同士が連帯し、
融和するという気概と、
基地を世界から廃絶していく思想を打ち立てないかぎり、
僕はどうあっても民族主義は支持できないのだ。
民族主義はもはや生理的嫌悪感にちかい。

日本に迎合したり、すり寄る必要は全くないが、
短絡的な民族ナショナリズムの高揚は、
日本ナショナリズム(国家主義)との対決を招くだけにすぎない。
まことに危険というほかない。

血で人間を選別し、出自で人間を十把一絡げで排撃する思想に
ナチスを連想するのは僕だけではなかろう。

「血などあてにならないし、血をあてにしてはならない」

ただでさえ、この国はおかしくなっている。
沖縄までが息苦しい社会にならないことを願うばかりである。
大切なのは、沖縄とヤマトの腐れ縁を断ち切り、民衆を解放するための新たな関係と思想を構築することだ。
そして、われわれに求められている目下の課題は、民衆を分断し、対立させる辺野古と高江に対する国家の暴挙を葬り去ることである。

  

Posted by 仲村清司 at 12:59Comments(4)

2012年05月23日

沖縄の皆様、お待たせしました。

ジュンク堂那覇店の
森本店長から緊急連絡 あり!
『本音の沖縄問題』
(講談社現代新書)がついに入荷しました。

1階イベント台にて発売中です。


  

Posted by 仲村清司 at 21:12Comments(0)

2012年05月22日

編集者は「本音の沖縄問題」をこう語った!

講談社・編集担当者が語る『本音の沖縄問題』

「米軍基地は必要だけど、自分の近所にはいやだ」。
ものすごく単純化すると、 これが「沖縄問題」の根っこにあります。
「その代わり、カネをあげるから許して」というわけです。
さらに沖縄の米軍の特徴は、「粗暴」で知られる海兵隊の比率が内地に比べ
非常に高いこと。沖縄で米軍犯罪がやまない一因がこの特徴にあります。
もちろん著者の仲村さんも触れているように……、
(続き→)http://eq.kds.jp/kmail/bn/?r=c&m=8&c=55  

Posted by 仲村清司 at 18:53Comments(0)

2012年05月22日

『本音の沖縄問題』その後の口コミ

『本音の沖縄問題』、紀伊國屋書店で沖縄部門ベストセラーランキング3位、Amazonで講談社現代新書部門ベストセラーランキング9位!

舘崎正二の週刊エッセイ

仲村清司『本音の沖縄問題』を読む
著者は大阪生まれの沖縄2世で現在は沖縄在住。本書は本土「復帰」40年の「沖縄問題」を深くわかりやすく書いている力作である。以下、本書より。
1972年の沖縄返還とは、「日米安保体制の再編強化=基地機能の維持強化」であり、「日本全体の米軍基地の整理統合=沖縄への基地集中と固定化」のための政治取引であった。(続きはこちら↓)

http://blog.livedoor.jp/sho923utg/archives/51714619.html


facebookから

私も引き込まれるようにずんずん読み始めています。読み進むに従い胸が塞がる思いがしますが、それでもこの御本は多くの人に読んでほしいと思います(M・Mさん)。  

Posted by 仲村清司 at 10:01Comments(0)

2012年05月21日

出だし快調!

『本音の沖縄問題』 (講談社現代新書)
Amazonで
講談社現代新書部門
ベストセラーランキング13位!



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406288156X/reckanet-22  

Posted by 仲村清司 at 13:00Comments(2)

2012年05月21日

『本音の沖縄問題』口コミ

しかし、音楽を糸口に沖縄にのめりこんだ人間としては、いわゆる「沖縄ブーム」によって、戦争、基地問題を避けて、芸能、食などを中心とした文化に興味が集中してきた。でも、それでは、大好きな沖縄が抱える問題を見ることもできないことにもうすうす気がついていた(続きはこちら)↓

http://ameblo.jp/hegu2011/entry-11255203978.html

▼本紙などの世論調査に、沖縄の2人に1人がそう答えていた。「いま沖縄は氷のように冷たい目で本土を見ている」と沖縄に住む作家仲村清司さんは言う。まなざしは「無関心という加担」への抗議にほかなるまい▼(続きはこちら)↓

http://www.asahi.com/paper/column20120515.html  

Posted by 仲村清司 at 00:49Comments(0)

2012年05月19日

ついにその日がやってきました

『本音の沖縄問題』 (仲村清司著・講談社現代新書) ついに本日発売! 


裏切りと失望、
依存と反発の40年
すべての問題は、
1972年5月15日
に始まった……。


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406288156X/reckanet-22
  

Posted by 仲村清司 at 17:33Comments(5)

2012年05月17日

これが現物だ!

明日発売の『本音の沖縄問題』(講談社現代新書)の見本が届きました。
プロローグをチラ見(チラ読みかな)してください。


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406288156X/reckanet-22

  

Posted by 仲村清司 at 15:26Comments(0)

2012年05月16日

復帰40年目の日

昨日(5.15付け)の朝日新聞の天声人語に
僕の談話が載っていると友人から連絡があった。

深まる一方の沖縄とヤマトの溝。
かつてない反ヤマト感情。

復帰40年目の今年の5・15は
マスコミから
ずいぶん注目されているようだが、
一過性の取り上げ方でないことを
祈るばかりだ。

ともかくも復帰を問い直し、
その内実を暴き出す時期にきていることだけは間違いない。

明後日発売される『本音の沖縄問題』(講談社現代新書)は
そこに迫った自分史エッセイでもある。
沖縄の人の本音のみならず、
僕の本音も吐露している。ぜひ読んでいただきたい↓。


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406288156X/reckanet-22  

Posted by 仲村清司 at 14:12Comments(6)

2012年05月15日

いよいよあと3日!

沖縄のなかには「ヤマトンチュとは連帯できない──」という人がいる。わからないわけではないが、生身の人間を十把一絡げに「血」で線引きするような選民めいた考え方がそこにあるなら、僕はやはりついていけないのだ。
というのも、自分が沖縄人二世だからである。僕のような沖縄の血を引く出自はいったい沖縄人なのか──。



新刊『本音の沖縄問題』(講談社現代新書)
いよいよ5月18日発売


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406288156X/reckanet-22  

Posted by 仲村清司 at 17:35Comments(0)

2012年05月12日

いよいよ明日、東京でトークライブ!

安全保障という国策によって基地が押しつけられた沖縄と、経済大国を支えるエネルギー政策という国策によって過疎地に原発が集中した福島は、いわゆる「構造的差別」という点では共通している。

要するに、国策とはいうものの、その内実は豊かさと便利さを享受できる「多数派」のために、辺境あるいは過疎地の「少数派」が犠牲や負担を負わされてきたということであろう。
『本音の沖縄問題』(講談社現代新書より)5月18日発売。



明日、発売記念イベント・トークライブ開催
「沖縄はどこまで日本になったか?」
■新宿ロフトプラスワン、5月13日(日曜日)13時~
■出演・仲村清司・篠原章 ■ TEL 03-3205-6864
  

Posted by 仲村清司 at 13:47Comments(0)

2012年05月11日

女性の長寿1位転落か!

サイドバーから新刊『本音の沖縄問題』が予約できるようになりました。


ところで、本日(5月11日付)、
沖縄タイムスにワタクシの連載記事が掲載されています(15面)。

沖縄の平均寿命は女性が全国1位でしたが、
男性につづいてついに転落する可能性のあることが
県議会で明らかになりました。

長寿王国の崩壊……
こうなったその背景には、欧米型の食生活や運動不足などがありますが、

実は米軍基地が寿命を縮める遠因を作ってしまったおそれがあるのです。
詳細は記事をご覧あれ。


  

Posted by 仲村清司 at 21:00Comments(0)

2012年05月09日

2012年05月07日

13日の日曜日はロフトプラスワンへ!

日本は沖縄に依存し続けてよいのか、沖縄は日本に頼り続けてよいのか。
このことを双方が問い直していかないかぎり、両者はおそらく腐れ縁の関係を続けていくように思える──(『本音の沖縄問題』講談社現代新書より)。


今週の日曜日(13日)、↑について真っ昼間から沖縄を考えるトークイベントを開催します。今年、沖縄は正念場を迎えます。ぜひ、参加してください。


【沖縄復帰40周年記念 沖縄はどこまで日本になったか?】

今年で本土復帰40年を迎える沖縄。基地問題に揺れる「癒しの島」はどこまで日本になったのか?
沖縄人は今や日本人なのか?沖縄の抱える問題の根っ子を探る。

出演:
仲村清司(作家・沖縄大学非常勤講師)
篠原 章(評論家)他

■新宿ロフトプラスワンOPEN12:00 / START13:00
■前売\1,500- / 当日\2,000-(共に飲食別)
■前売りはローソンチケットにて発売!
■新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 TEL 03-3205-6864
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/access.html  

Posted by 仲村清司 at 15:46Comments(5)

2012年05月06日

本音の沖縄問題!

明治、大正、昭和、平成を生きてきた祖父と、現代を生きている僕が共有してきたのは結局のところ、日本という国家に沖縄が存在していることの居心地の悪さではなかったか。

それはたとえ基地を追い出したとしても、ずっとくすぶり続けるであろう、この国への違和感といっていいかもしれない。


『本音の沖縄問題』(講談社現代新書)より
*5月18日全国発売(沖縄は数日遅れる見込みです)

http://t.co/f3QSN4N6



発売に関連して新宿ロフトプラスワンで、
トークライブを開催します


■5月13日(日曜日)OPEN12:00 / START13:00
■前売\1,500- / 当日\2,000-(共に飲食別)
■『ローソンチケットにて発売中! 
■出演・仲村清司・篠原章
■前売1500円新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 TEL 03-3205-6864

http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/access.html  

Posted by 仲村清司 at 17:59Comments(0)