てぃーだブログ › 仲村清司の沖縄移住録@2018 › 2014年04月

2014年04月29日

ワタクシのソースコレクション

わたしはブルドックソースの回し者です。
ブルドックのウスターソースは「ソーライス」に欠かせないアイテム。
なので、手放せません。


「ソーライス」とは、
ウスターソースをライスにかけただけのシンプルなメニュー。

昭和初期、阪急百貨店創業当時は昭和恐慌の大不況の最中で、
昼食代にも事欠く人たちが多くいました。
なので、当時から大人気だった「カレーライス」を注文する余裕がなく、
ライスを注文しては卓上のウスターソースと福神漬けをかけて食べる人が多かったのです。



他の食堂のなかには
「ライスのみの注文お断り」の張紙を出すところもありましたが、
阪急百貨店の大食堂は「ライスだけのお客様を歓迎します」
という張紙を貼ったのです。

「確かに彼らは今は貧しいが、やがて結婚して子どもを産む。そのときここで楽しく食事をしたことを思い出し、家族を連れてまた来てくれるだろう」(小林一三・阪急グループの創始者)

こうして「ソーライス」は、
阪急百貨店大食堂の隠れた裏メニューとして知れ渡り、
後年、関西では「阪急食堂でよくソーライス食ったな~!」
という昔話が語り継がれています。

というわけで、今宵はブルドックソースでソーライス、やってみませんか。  

Posted by 仲村清司 at 16:25Comments(3)

2014年04月26日

仁義なき闘いが始まった!

『沖縄発、仁義なき内臓の闘い』

──今やホルモンは国民食といえるほどに定着したが、ルーツをたどれば「被差別」の側の食べ物だったことは繰り返し書いてきた。ホルモンという呼称のルーツについては諸説あるが、ホルモンを食らうということは人間が生きていくために屠られた動物の命を丸ごと喰らうということであり、すこし大げさな言い方をすれば人間界の業を喰らうといういい方はできると思う──

オキナワの「食」は戦後レジームから
いまや完璧に脱却しつつある。

食の先進地域、栄町を歩けば一目瞭然だ。
市場もホルモン、交番通りもホルモン、
フランチもホルモン、イタリアンもホルモン。

そう、本土系焼き肉店の侵攻に対抗すべく、
沖縄では地場の精肉店と若手内臓調理人が連合し、
傘下の社交街で勢力争いを開始。
隙をついて仕掛けてくるヤギ肉屋や焼き鳥屋も合い乱れての
血みどろの仁義なき内臓戦争が始まったのだ。

その渦中にあるワタクシの食生活も痛風必至の食生活に様変わりし、
いまや、プリン体なくして何をか言わんやの体になりはて、
先日はついに普天間まで進出。
アグーの内臓ホルモンにありつくという果報を得た。

見よ、思わず生で食らいつきたくなる
このテラテラヌメヌメのホルモン軍団!




とは申せ、ホルモンは部位の呼び名が耳慣れず、
一度や二度食ったところで、その全貌を知ることなどとうていできない。

そこでぜひ読んでいただきたいのが、
『一生に一度は喰いたいホルモン』(双葉社)なのだ。
ここまで書けばわかるように、
冒頭で紹介した文は総長の藤井誠二氏が記した言葉。



まさに生き物に五指をグイとつきさし、
ハラワタもろごとむしりとるような握力のある表現ではないか。

どうか読者諸氏も生唾ゴクリの本書を一読されたし。

そうして、煩悩まみれのおのれの業まで
ハフハフムシャムシャむさぼり食っておくれ。
そうそう、くれぐれもホッピーはお忘れなく。うふうふ。
*なお、藤井総長は交通戦争に巻き込まれ、現在静養中です。お大事に。

  

Posted by 仲村清司 at 14:43Comments(2)

2014年04月25日

夢の続き……

昨夜はめずらしく早めに(午前1時過ぎ)に眠った。
といっても、ふつうが午前3時頃だから、
世間の人とくらべるとこれが早めなのかどうか……。

とたんに寝汗が出て目が覚める
春先からこの時期にかけて毎年この症状がでる。やっかいだ。
結局、肌着を着替えてもしばらくするとまた寝汗がでて、
一晩中、止むことのない中途覚醒が続く。

ようやく寝付くと朝方から悪夢ばかり続く。
続くと書いたのは、夢見がわるくて飛び起きても、
場面が連続するからだ。
もともと楽しい夢などめったに見ることがないタチだが、
昨夜は心底まいった。

夢の舞台は出張先の東京の品川駅構内。
沖縄に戻らねばならないのに、
ホテルでチェックアウトするのを忘れ、
どういうわけか品川駅に出てしまったらしい。
夢のなかの僕はプラットホームのベンチで
書き上げた原稿をチェックしている。

わざわざそんな場所でやるはずがないのに、
何でもアリが夢の世界だからどうしようもない。

案の定、仕事がはかどらずイライラしているところで、
荷物をとりにホテルに戻ろうとする。

あせって電車に飛び乗るのだが、降りるべき駅がわからず、ひたすら焦る。
帰りの飛行機に間に合わないかもしれないという不安が頭をよぎったとたん、
今度は航空券を失っていることに気づく。

電話で航空会社に連絡しようと携帯電話を取り出すと、
見覚えのない機種がポケットから出てくる。
またもや焦る。
あちこち探すと別の携帯電話が出てきて途方に暮れる。
どうやら携帯電話もホテルに忘れてきたらしい。

もうどあっても、飛行機に間に合わない。
「どうしてこうなるのだろう」
と、夢のなかの自分は、
またよけいなお金を使うはめになったことを気に病んでいる。

ここでいったん目が覚め、
夢だったことに安堵するのだが、
太ももまで汗びっしょり。

着替えるといつしか眠ったようだが、
夢は空港に向かうリムジンバスの停留所からスタートする。

便を遅らせることにしたらしいが、
今度はいくら待ってもバスが来ないという設定。
焦りながらイライラしていると、後ろの人が、
「ここは空港きのバスは出ていませんよ」
といわれ、別の場所に案内された。

バスが停車していて、
「やっと乗れたなあ」とホッとしているところで、
「空港は通過します」というアナウンスが聞こえてくる。

「どういうことなんだろう?」
「なぜこんなことばかり体験するのだろう?」

悔しくて腹立たしくて哀しい思いにとりつかれているところで
目が覚めた。首の周りが寝汗で濡れている。

隣の座布団で寝ているはずの向田さんも目が覚めてしまったようで、
じっと僕を見つめている。



その後も何度か夢の続きを見ているのだが、忘れてしまった。
このところ、上手に眠れた試しがない。
寝るのがすっかり嫌になったというか、怖くなってしまった。

眠らずに人生を送る方法はないだろうか?
真剣に考えているうちに、
「そうか。いっそ眠らなければいいのだ。
そのほうが仕事もはかどるし、何枚でも書ける。うん、そうしよう」

と決意したところで、目が覚めた。
夢の続きに際限はない。










  

Posted by 仲村清司 at 13:27Comments(2)

2014年04月22日

必読・沖縄タイムスの文化欄に注目!

本日(4月22日)付、
沖縄タイムス文化欄(18P)に
連載エッセイ『オキナワ万華鏡』が掲載されています。

今夏、亜紀書房から刊行予定の
社会学者・宮台真司さんとの
炎上必至対談の一部が紹介されています。


霞ヶ関になめられっぱなしの
沖縄の本気度を示すには何が必要か、
知のソムリエ・宮台さんが舌鋒するどく提言しています。








  

Posted by 仲村清司 at 11:03Comments(0)

2014年04月21日

不眠症男のぶつくさ日記

沖縄タイムスに連載している原稿の校正を終えた。明日、文化欄に掲載の予定。
年始から続けてきた社会学者の宮台真司さんとの対話の一部を紹介した。

真のナショナリズムや愛郷心は狂信的な激情ではない、というのが僕の持論だが、書きながらあらためて思いを深めたことがある。

僕は沖縄にずいぶん肩入れしているが、歴史的怨恨に根ざした沖縄の独立論にはやはりついていけない。なりふりかまわない感情的発言は、
相手を利するだけで、抑圧している側より抑圧された側によけいな対立と不幸を招く。

誤解を怖れずいうのなら、真の独立は反ヤマト感情を止揚したときに達成できるのではないか。
こんなことを書くとまた叩かれそうだが……。ともかく、理性を失った「いさかい」はどうあってもごめんだ。関わりたくない。
そんな思いが頭の中を駆け巡る。

親友のノンフィクションライターの藤井誠二さんが交通事故に遭ったことも気がかりだ。

感情が高ぶってまた寝付けなくなった。どうやら本格的に不眠症が再発したらしい。

こんなときの特効薬は向田さんの寝姿だ。
寝息を立てて彼女を細めて見入ってしまう。ほんとうに愛くるしい。



もし向田さんと暮らしていなければ……、などと考えているうちにいよいよ眠れなくなった。

「向田さん……」
隣で寝ている向田さんにそっと声をかけると、彼女は尻尾をやさしく左右に振ってくれた。

(起こしてごめんね)

昨夜は彼女の尻尾をつかんで目を閉じているうちに、
いつしか寝入ったようである。  

Posted by 仲村清司 at 13:13Comments(4)

2014年04月20日

深夜男のひそかなヨロコビの晩酌

沖縄タイムスに連載している原稿を午後11時過ぎに仕上げ、
遅い晩飯をこしらえる。

このところ洋食系統のメシが続いていたので、
その反動がきたのか、体が和食を熱望していた。

今夜は、魚、それも煮付けと決めていたので、
ちょっと面倒だったけれど、急ぎ、真鯛の煮付けに挑む。

が、いざ調理をはじめたら、みりんが空っぽ。

あわてて、波照間産の黒蜜を引っ張り出して、甘みをごまかすことにした。
なれど、なかなかのお味に昇華してくれた。

ビールと白ワインで深夜の晩酌。つけあわせは青菜と薄揚げの炊いたん、海老・インゲン・ゆで卵の和え物。
満足なり。

やはり和食はいい。年を重ねるとよけいにそのよさが痛切にわかる。
その覚めやらぬコーフン状態のせいか寝付けず。
空はすでに白んでいる。
我が不眠症は重度なり……。
  

Posted by 仲村清司 at 06:19Comments(5)

2014年04月17日

緊急! 明日は見逃せないイベントあり

●「モモト・トークセッション」
  [庖丁人・仲村清司はかくして生まれた]
・ジュンク堂書店 那覇店
・開催日時:2014年04月18日(金)19:00 ~
https://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=5020


●お料理連載スタート! 
明日のトークセッションで、今号からスタートした新連載「酒道亭の美味是好日」の撮影秘話についてふれながら、
ワタクシが主宰している伝説の料亭『酒道亭』の全貌を明らかにします。
こぞってご参加ください。




  

Posted by 仲村清司 at 15:02Comments(0)

2014年04月17日

もうひとつの普天間問題!

普天間で見つけた標語。
さあて皆さん、何ととく? 

深夜徘徊とかけて、オスプレイととく、
その心は、
「夜間飛行=非行」はもっと危険です


  

Posted by 仲村清司 at 00:06Comments(1)

2014年04月16日

注目! 次作、着々と進行中

基地問題に代表されるように、
この島にはクリアすべき課題が山積している。
が、どの問題を探ってみても、膠着状態に陥っているのが実情で、
解決の糸口すら見つからない。

いったい沖縄はどこに向かおうとしているのか。
沖縄の若者がアノミー化しているのはなぜか。
そして沖縄が向かうべき道とは?

社会学者の宮台真司さんと二日にわたって語り合った。
司会はノンフィクションライターの藤井誠二さん。

話題は基地、補助金の構図と依存、尖閣問題、跡地利用、そして若者のファッション、男と女、食生活まで及んだ。
まさにこれまでの常識、タブーを破る本音の対談になった。

対話をまとめたものは、
今夏、亜紀書房から刊行されます。お楽しみに。




  

Posted by 仲村清司 at 11:07Comments(0)

2014年04月11日

アメリカ世が続く普天間の裏道を歩く。

普天間まで足を伸ばして、路地裏を歩き回った。
沖縄に17年も暮らしているのに、
普天間の裏通りを歩いたのは初めての体験。

昭和のたたずまいを濃厚に残した町並みは
よく掃かれ、ちりひとつ落ちていない。

普天間宮の門前町という誇りがそうさせているのか、
路面店は寂れてはいても、すさんでいるわけでもなく、
いい意味での秩序を強いられているような気分のする町だった。

ふいに出くわした意表を突く看板に唖然。


真似のできない品揃えとはこういう店のことをいう。
普天間地区はなかなかやってくれます。
ちなみにこのお店、スッポンもありましたぞ。

沖縄はユニークなスナックの店名が多いけれど、
すずらん通りにもこんなお店が。素直ににんまりできる看板だ。



新開地と呼ばれる戦後に発展した町並みを歩くと、
古食堂があった。その名も『三角食堂』。



中に入ると、もじどおり昭和レトロな雰囲気。
店内の空気も空閑として、時間を止めているような感じである。



そんな空気につられるように、昭和の代表食であるオムライスを注文した。



うまい! けど、多すぎる! 
わしわしと口にかきこむ最中も、
ヘリコプターがつぎつぎと飛来する音が聞こえてくる。
普天間基地が目と鼻の先にあることを実感する。
何気なく壁を眺めると、見覚えのあるステッカーが目に入った。
と、その矢先、耳奥にずしんと響く重低音が近づいてきた。



ここはオスプレイが真上を通過する食堂だったのだ。
聞けば、建物は戦後5年目に建てられたものだという。

アメリカ世が続いたままの普天間の昼下がり──。
ただその場にいるだけで、オキナワの戦後の何たるかが伝わってくるような気がした。  

Posted by 仲村清司 at 18:07Comments(3)

2014年04月04日

『居酒屋おとん』続報!

皆様、多くのご支援、励ましの言葉、ありがとうございました。
市議会議員の方にも支援いただき、
那覇市の市民相談室に弁護士相談を依頼することができました。

むろん、まだ予断を許さない状況にありますが、
少なくとも相手の思うままにはさせないところまではきていると思います。

今回の出来事で、障害者差別があからさまにまかり通っている現実を実感しました。また、公的機関の反応がきわめて鈍く、相談窓口すらないことも知りました。実際、たらい回しの状態でした。

弁護士に依頼することはたやすいことです。しかし、これとて実費のかかることであり、社会的弱者には大きな負担です。

そもそも、実費がかからないところで解決していくべき問題ですから。

今後はこれを契機に人権問題も真摯に考えていきたいと考えています。
皆さん、これからもよろしくお願いします。
  

Posted by 仲村清司 at 13:14Comments(2)

2014年04月01日

緊急! 居酒屋『おとん』が危機! 支援を!

『居酒屋おとん』が存亡の危機にあります。
皆さんご存じとおり、主人の池田哲也氏は昨年頭部の手術を受けた後、障害者認定を受け、現在もリハビリ中です。

ところが、昨年末に大家と不動産屋から障害を理由(「不随者なので、今後家賃収入が見込まれるかどうかわからない」←家主の言葉)に退去通告を受けました。

むろん、池田氏はこれまで家賃を一度も滞納したことがなく、退去させられる理由は万に一つもありません。家主の行為は不当きわまりない差別であり、人権侵害に抵触する脅しです。

弁護士にも相談しながらこのあからさまな差別と闘い、なんとか退去を撤回させましたが、今月中旬なって大家と不動産屋からふたたび契約更新を理由に執拗ないやがらせを受け、4月以降の契約が結べない事態に陥っています。

むろん、強制退去をさせることなどできませんが、宅建協会はまともに取り合ってくれず、このままでは、店の営業どころか、安心して生活することもできません。

「お客さまにご心配をおかけするのは忍びない」という池田氏の意向もあり、ごく一部の人たちで対処してきましたが、いまや孤立無援の状態で、われわれだけの力ではいかんともしがたい状態です。

どうぞ皆さん、力を貸してください。

明日から以下の条例が沖縄県に施行されます。差別のない社会を実現するためには、差別を受けている人の心に寄り添い、互いに連帯し、差別を撤廃するための具体的な行動を取る以外にありません。

今後もこの欄を通して経過を報告していきます。重ねてお願いします。力を貸してください。ぜひ、この記事をシェアしてください。

以下は明日から沖縄県で施行される条例です。条例には「不動産取引における差別の禁止」がうたわれていますが、これが絵空事に終わらないようにするためにも、『居酒屋おとん』を支援してください。

http://www.pref.okinawa.jp/site/fukushi/shogaihoken/keikaku/kyosei-shakai/documents/jorei-gaiyo.pdf

http://www.pref.okinawa.jp/site/fukushi/shogaihoken/keikaku/kyosei-shakai/jorei.html  

Posted by 仲村清司 at 00:33Comments(7)