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2010年11月15日

先日の到来本。

ある意味、最強のセットといえるんではないかい?

先日の到来本。


芥川龍之介が家族に宛てた遺書。

先日の到来本。


人生の戦いに負けたら、父と同じように自殺せよと綴られている。
なんとも批評の仕様がないが、
苦悩に貫かれた芥川の人生の総決算が垣間見える一文といってだろう。



向田邦子の恋文↓

先日の到来本。



「(みかん)を一日に五つから七つはたべます。そのうちに美人になるでしょう」

いかにも彼女らしい表現ではないか。

「日曜日に、お刺身でビールをのむのをたのしみに」
あくまでつつましい。わずか一行にも大人の女だけがもつはかなさが漂っている。泣けた……。


彼女は三日にあげず写真家のN氏のもとに通った。N氏は向田邦子がつくった食事を日記にまとめている。

「さしみ、おしたし、肉とこんにゃく煮付け、ウィンナ、椎茸、豆腐、わかめのみそ汁」あるいは「邦子製八宝菜、おでん」というのもある。邦子製八宝菜とはどんな献立なのだろう? 興味がつきない。

恋文の相手は、その後、突如自殺。二人の恋愛については誰にも知られることがなかったが、向田邦子の遺品から手紙と日記の見つかったことは周知のとおり。彼女が生涯で唯一愛した男性で、彼女は生涯独身を貫いた。

白洲次郎がのちに妻となる樺山正子に送った恋文は英文。

先日の到来本。


白洲は英語を日常会話にするほどの人物なので、
英語の方が自分の気持ちを表現しやすかったのだろう。

「君こそ僕の発想の源、究極の理想だ」

日本語の恋文にはありえない言葉が目を惹く。


頭のてっぺんまで堪能した。
本はやっぱり、よろしいなあ。

先日の到来本。


Posted by 仲村清司 at 19:10│Comments(0)
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